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ジョージア「夢」委員会の合法性を疑問視 若手指弁護士団が刑事訴追を批判

Posted about 13 hours ago by Anonymous

調査委員会の正当性に重大な疑義

ジョージアの若手指弁護士協会(サヤ/Saia)は7月10日、「ジョージアの夢」党が主導する議会調査委員会の手続きを厳しく批判する声明を発表した。野党政治家らに対する刑事訴追と元国防相イラクリ・オクルアシヴィリ(Irakli Okruashvili)氏の勾留措置を非難し、「委員会不出頭を刑事犯罪として扱う法的根拠が欠如している」と指摘した。

手続きの不備と政治利用の疑い

サヤは「調査委員会の活動は複数の点で問題がある」と主張。特に議会規則に定められた要件を満たさない説明文書を使用している点を指摘し、「具体的な調査事項や聴取対象者、対象文書が明示されていない」と批判。委員会が与党系議員のみで構成され、「形式的な野党参加」に留まっている点も正当性を損なう要因だとしている。

法的根拠を超える刑事罰適用

現行法では調査委員会の召喚拒否に対し、行政罰(最高500ラリ/約2万6,000円)と刑事罰(1年以下の懲役)の双方を規定。しかしサヤは刑事罰適用について「自由制限は最小限に抑えるべき」という法原則(In dubio pro libertate)に反すると指摘。「召喚拒否が社会に深刻な危険をもたらす犯罪と見なすべきではない」と主張する。

オクルアシヴィリ元国防相の勾留問題

野党「統一国民運動」のオクルアシヴィリ元国防相は、20,000ラリ(約104万円)の保釈金が支払われているにもかかわらず、5月14日に勾留措置に変更された。サヤは「比例原則に反する政治的な動機」を指摘し、検察の対応が「公の利益よりも特定個人の処罰を優先している」と非難した。

野党の抵抗と国際的懸念

複数の野党指導者が委員会の召喚を拒否し、「非合法な議会調査への協力は政権の弾圧を正当化する」と主張。「変化のための連合」や「強いジョージア」連合など主要野党が結束して抵抗する中、サロメ・ズラビシュヴィリ大統領も「新たな抑圧の波」と懸念を表明している。

日本関係者の注目ポイント

ジョージアでは2024年総選挙を控え、司法制度の公正性が国際的に注視されている。日本政府も民主的手続きの尊重を再三要請しており、今後の司法判断が日・ジョージア関係にも影響を与える可能性がある。在留日本人約50人は情勢を注視している。

キーワード解説:

ジョージアの夢(Georgian Dream):ビジリナ・イヴァニシヴィリ創業者が2012年に設立した中道右派政党。2013年から政権与党の座にある。

調査委員会:2025年2月に設立され、野党勢力の過去政権時代の活動を調査。欧州評議会から「政治利用」の懸念が表明されている。

メディアソース: civil.ge

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