ジョージア警察、7歳児童への暴力容疑で母親と祖母を逮捕
事件の概要と容疑内容
ジョージア(グルジア)の首都トビリシ(Tbilisi)で、7歳の男児に対する虐待容疑で実母(32)と祖母(55)が逮捕されました。警察当局によると、近隣住民からの通報を受けた捜査で、男児の身体に複数のあざや火傷の痕が確認されたとのことです。
警察の対応と法的措置
捜査を主導した内務省児童保護課のサーシャ・ジャネリア(Sasha Janelidze)課長は「児童の安全確保を最優先に、24時間以内に緊急保護措置を実施した」と説明。容疑者2人はジョージア刑法第126条(未成年者への虐待)に基づき起訴され、最大5年の禁錮刑が科される可能性があります。
社会的反響と専門家の指摘
事件を受け、児童権利団体Childhood Guardianの代表マリアム・ベリゼ(Mariam Beridze)氏は「ジョージアでは伝統的な子育て観と現代の児童保護法が衝突するケースが増えている」と指摘。同国では2021年に児童虐待防止法が改正され、体罰禁止が明文化されましたが、農村部を中心に旧来のしつけ観が根強い実情があります。
日・ジョージアの児童保護比較
日本でも2020年に改正された児童虐待防止法で体罰禁止が明記されましたが、ジョージアの法律はより厳格な刑事罰を規定しています。在ジョージア日本大使館の関係者は「両国とも伝統的家族観との調整が課題」と述べ、子育て支援分野での国際協力の可能性に言及しました。
今後の展開と支援体制
被害男児は現在、トビリシ市の児童保護施設で一時保護されています。社会福祉省は心理カウンセリングを実施するとともに、親族里親の選定手続きを開始。事件を契機に、同省は2024年度予算で児童相談窓口の24時間化を前倒し実施する方針を明らかにしました。
今回の事件は、伝統と近代化が交錯するジョージア社会が直面する課題を浮き彫りにしました。児童の権利保護と家族の在り方をめぐる議論が、今後の法整備や支援体制の拡充につながるか注目されます。
メディアソース: geinfojp.wordpress.com