ジョージア政治スキャンダル ナヌカ・ジョルジョリアニ子息宅捜索完了
捜査当局が政治家大物の息子宅を捜索
ジョージア(グルジア)の首都トビリシ(Tbilisi)で8月20日、ナヌカ・ジョルジョリアニ(Nanka Jorjoliani)元厚生大臣の息子宅に対し、捜査当局が家宅捜索を実施したことが明らかになりました。ジョルジョリアニ氏は現在最大野党「国民運動」の幹部を務めており、政界を揺るがす新たなスキャンダルとして注目を集めています。
汚職疑惑と押収品の内容
特別検察庁の発表によると、今回の捜索では現金30万ラリ(約1,560万円)と複数の国外口座の記録が押収されました。容疑は公金横領と収賄行為で、2016年にジョルジョリアニ氏が大臣在任中に複数の医療施設建設事業で不正があったとされています。当局は「証拠隠滅の恐れがあるため緊急捜索に踏み切った」と説明しています。
当事者側の反応と政治的背景
ジョルジョリアニ氏は公式声明で「現政権による政治的弾圧だ」と強く反発。欧州連合(EU)加盟を目指す同国で、2024年総選挙を控えた与野党の対立が先鋭化している現状を浮き彫りにしました。現地メディアによれば、先月には与党「ジョージアの夢」幹部の親族も不正調査対象となっており、政界全体の信頼低下が懸念されています。
日本との関係における影響
ジョージア政府は日本企業誘致を推進しており、今回のスキャンダルが投資環境に与える影響に注目が集まっています。在ジョージア日本商工会議所関係者は「捜査の透明性と法の支配が維持されることが重要」とコメント。日本との経済連携協定(EPA)交渉を控える中、政治安定性が今後の鍵となりそうです。
今後の展開と国際的視線
欧州評議会監視団は「司法手続きの適正性を注視する」とする声明を発表。米国務省も「民主的プロセスへの干渉を懸念する」と述べるなど、国際社会の監視が強まっています。現地政治アナリストは「捜査が公正に行われなければ、EU加盟候補国としての立場が危ぶまれる」と指摘しています。
メディアソース: interpressnews.ge