ジョージア抗議者家族、公共放送に裁判中継と透明性確保を要求
欧州統合を求める抗議活動で拘束された参加者の家族らが5月1日、ジョージア公共放送(GPB)に対し、3日間の生放送枠の確保と、進行中の裁判手続きのライブ中継を求める要請を行いました。家族代表は「裁判プロセスの映像記録権限を持つGPBこそが、透明性確保と公平な情報提供に不可欠」と強調しています。
抗議活動家家族の訴え
4月29日にGPB本社前で行われた抗議では、家族側が「当局が組織的なディスインフォメーションを展開する中、公共放送は市民の声を届ける義務がある」と主張。共同声明でGPBの設立理念に言及し、「公共の利益に関わる問題を独立・公平・客観的に報道する使命を果たすべき」と訴えました。
要求が受け入れられない場合、Public Media Allianceや欧州議会、欧州評議会メディア自由部門など国際機関に提訴する方針も明らかにしています。
GPBを巡る論争の背景
2024年11月28日、GPBがEU統合支持デモにおける警察暴力を十分に報道しなかったことが批判を招き、本社前での中継要求デモが発生。抗議は152日連続で継続中で、参加者はGPB前から首都トビリシ(Tbilisi)のルスタヴェリ大通り(Rustaveli Avenue)まで行進を繰り返しています。
GPBは一部の放送時間を割り当てたものの、編集部の独立性を求めるスタッフの解雇が相次ぎ、批判が拡大。ヴァシル・マグラフェリゼ(Vasil Maghlaperidze)議長(元「ジョージアの夢」党副党首)の人事を巡っては、メディア監視団体から「公共放送の信頼性を損なう」との非難が出ています。
日本との関係における示唆
ジョージアのメディア環境の透明性は、EU加盟を目指す同国にとって重要な審査項目。日本政府もODAを通じた司法制度改革支援を進めており、報道の自由確保が民主化プロセスの鍵を握っています。
現行法ではGPBが唯一の法廷中継権限を有しますが、当局寄りの編集方針が疑われる中、市民社会とメディアの健全な関係構築が課題となっています。今後も国際社会の監視が強化される見通しです。
メディアソース: civil.ge