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トビリシ集団暴行事件 アンドロ・チチナゼら11人の裁判が進行中

Posted about 1 hour ago by Anonymous

事件の概要と裁判の現状

2023年5月にジョージアの首都トビリシ(Tbilisi)で発生したLGBTQ団体事務所襲撃事件で、元大統領ミヘイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)派の活動家アンドロ・チチナゼ(Andro Chichinadze)ら11人が起訴され、現在裁判が進められています。検察側は「組織的犯罪集団」としての活動を主張し、被告側は「政治的な動機による弾圧」と反論する構図が続いています。

襲撃事件の背景

事件は「国際反ホモフォビアデー」の前日に当たる5月16日、LGBTQ支援団体「Tbilisi Pride」の事務所が約2,000人のデモ隊に襲撃されたもの。参加者は建物の窓を破壊し、職員に暴行を加えました。当局は直ちにチチナゼ氏を含む計26人を拘束し、うち11人を組織犯罪で起訴しました。

法廷での攻防

検察側は「被告らが事前に計画を練り、SNSで参加を呼びかけた」と主張。これに対し弁護側は「政府がEU加盟を目指す中、保守派を黙らせるための政治的プロパガンダだ」と反論しています。チチナゼ氏は法廷で「表現の自由の行使だった」と述べ、最大9年の刑期が求刑されている現状を批判しました。

ジョージアの政治状況

ジョージア政府は2023年12月にEU加盟申請を提出しましたが、欧州委員会は「LGBTQの権利保護を含む人権状況の改善」を条件に挙げています。与党「ジョージアの夢」は伝統的価値を重視する姿勢を示しており、今回の事件を巡る裁判は今後のEU加盟交渉にも影響を与える可能性があります。

今後の見通し

現在までに被告のうち3人に執行猶予付きの有罪判決(罰金5,000ラリ≒26万円)が下っていますが、主要被告の審理は継続中。次回公判は7月18日に予定されており、国内外から注目が集まっています。人権団体は「表現の自由と暴力の線引きが問われる重要なケース」と指摘しています。

ジョージアでは近年、欧州志向の改革派と伝統的価値を重んじる保守派の対立が先鋭化。今回の裁判の行方は、同国が民主主義の成熟度を示す試金石となるでしょう。日本政府もジョージアの民主化プロセスを支援しており、法の支配の確立が両国関係の発展にも重要とみられています。

メディアソース: interpressnews.ge