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ジョージア・チアチュラ鉱山労働争議で4人逮捕 抗議活動激化の背景

Posted about 19 hours ago by Anonymous

鉱山関係者への攻撃容疑で4人拘束

ジョージア西部イメレティ地方の警察は、シュクルティ鉱山(Shukruti Mine)の責任者であるテンギズ・コベリゼ(Tengiz Koberidze)氏への攻撃容疑で、4人を4月29日に逮捕した。チアチュラ市(Chiatura)では鉱山労働者と経営会社の間で激しい労働紛争が続いており、逮捕劇を機に抗議活動がさらに激化している。

抗議活動の過熱と健康被害

警察当局によると、容疑はジョージア刑法118条2項(意図的な軽微な身体傷害罪)に該当し、有罪判決の場合、最大6年の禁固刑が科される可能性がある。逮捕されたギオルギ・ネパリゼ(Giorgi Nefaridze)、メラブ・サラリゼ(Merab Saralidze)、テンギズ・グヴェレシアニ(Tengiz Gvelesiani)の3名は抗議テントから連行され、アルチル・チュンブリゼ(Archil Chumburidze)氏は自宅で拘束された。

食料不足と健康危機が深刻化

チアチュラでは4月28日から6人の労働者がハンガーストライキを継続。長期の断食を続けていたイラクリ・ジキゼ(Irakli Jikidze)氏は、医療機関での治療を必要とする状態に陥っている。この地域は数十年にわたり鉱業に依存してきたが、最近の経営危機により雇用と地域経済が深刻な打撃を受けた。

企業の再建計画と労働者の反発

鉱山を運営するチアチュラ管理会社(CMC)は4月23日、再編計画の概要を発表。高資格の管理者を招聘し、透明性のある再雇用プロセスを約束した。しかし労働組合側が公開した7項目の合意案では「一部解雇の可能性」「8時間労働制導入」が含まれており、ヴァフタング・ナツヴリシヴィリ(Vakhtang Natsvlishvili)弁護士は「労働条件の詳細が不明で操作的な内容だ」と指摘している。

政府への不信感とメーデー前の緊迫

労働者らは与党「ジョージアの夢」政権の直接介入を要求しているが、現在まで具体的な進展はない。抗議活動は5月1日のメーデーに向けて規模を拡大する見込みだ。問題の発端は2023年11月に遡り、運営会社「ジョージアン・マンガネズ」(Georgian Manganese)が操業停止を宣言。給与の60%支払いを約束したが未払いが続き、2024年2月には完全閉鎖で3,500人が解雇危機に直面した。3月には首都トビリシで鉱業の国有化を求める大規模デモが発生している。

チアチュラのマンガン鉱山は世界的な供給量の約6%を占める重要資源を有するが、ソビエト崩壊後の設備老朽化と経営不振が長年の課題となっている。日本では希少金属の安定供給に関心が高まる中、労働環境の改善と持続可能な資源開発の在り方が問われる事態となった。

メディアソース: civil.ge