ジョージア・ダヴィタシヴィリ副首相が世界銀行・IMF春期会合に参加 ワシントン訪問
ジョージア政府のレヴァン・ダヴィタシヴィリ(Levan Davitashvili)副首相兼経済・持続可能開発大臣が4月22-23日、ワシントンで開催された世界銀行グループ(WBG)と国際通貨基金(IMF)の2025年春期会合に参加しました。ジョージア政府側からは財務大臣ら主要閣僚も同行し、国際金融機関との戦略的な協力拡大に向け議論を展開しました。
世界銀行との戦略的対話
22日の世界銀行・アンナ・ビエルデ(Anna Bjerde)業務担当理事との会談では、投資プロジェクトと技術支援に焦点が当てられました。ダヴィタシヴィリ副首相は黒海底ケーブルプロジェクトに言及し、「EU電力網との接続は地域エネルギー安全保障の要だ」と強調。世界銀行からは36ヶ月にわたる政策融資プログラムの継続が約束されました。
具体的な協力分野
- デジタルトランスフォーメーション促進の為の200億円規模のICTインフラ整備
- 地方都市の水道施設改修(年間80億円の財政支援)
- 税制改革支援を含む技術協力プログラム
IFCとの民間部門連携
23日には国際金融公社(IFC)のアルフォンソ・ガルシア(Alfonso García)副総裁と会談。特に注目されたのは再生可能エネルギー分野への投資計画です。ジョージア政府は以下の重点分野での協力を提案:
- 風力発電所建設(第3国向け電力輸出を含む)
- 化学肥料工場の生産能力拡充
- 地元中小企業向け融資枠(最大50億円)の創設
米国政府要員との戦略協議
ワシントン滞在中、ダヴィタシヴィリ副首相は複数の米国高官と会談。貿易拡大を巡り、以下の合意が形成されました:
協議相手 | 成果 |
---|---|
商務省アショク・ピントス(Ashok Pinto)次官補 | 日米貿易協定モデルによる新FTA交渉開始で合意 |
Exim銀行ジム・バロウズ(Jim Burrows)筆頭副頭取 | 物流ハブ整備の為の240億円融資枠設定 |
政治課題への言及
国務省のジョシュア・ハック(Joshua Huck)次官補補佐官からは、ジョージアで審議中の「外国影響力透明法」に関する懸念が表明されました。これに対しダヴィタシヴィリ副首相は「主権国家としての立法権を行使している」と反論しつつ、民主的価値の堅持を約束しました。
日・ジョージア関係への示唆
会合の場では、アジア・欧州間の新物流ルート整備が議論されました。日本企業が関心を持つポタシ採掘事業へのIFC出資(約120億円)が具体化すれば、自動車電池原料の安定供給に寄与する見込みです。在ジョージア日本大使館経済班は「ビジネス環境整備が進展」と評価するコメントを発表しています。
メディアソース: civil.ge