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ジョージアのEU加盟にロシアが懸念 ザハロワ氏「2030年までにEU消滅の可能性」

Posted 6 days ago by Anonymous

ロシア外務省がEUの将来性に疑問符

ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は4月24日の会見で、ジョージア(グルジア)与党「ジョージアの夢」が掲げる「2030年までのEU加盟」目標について言及し、EUの存続そのものに疑問を投げかけました。ザハロワ氏は「EUが危機的状況にあり、10年後には存在しない可能性がある」と述べ、加盟希望国は現実的な判断をすべきだと主張しました。

英国のEU離脱を引き合いに

ザハロワ氏は英国のEU離脱(ブレグジット)を例に挙げ、「利益を得られる場では常に英国が先陣を切る。今回はEUからの離脱で先駆けとなった」と指摘。EU加盟が必ずしも経済的利益を保証するものではないとの見解を示しました。

「加盟を目指す国々は、入りたい組織が存続しているか現実を見るべきだ」

ジョージアとの関係正常化に言及

ザハロワ氏はジョージアとの関係について「相互尊重と互恵の原則に基づき、ビジネスや人道協力を活性化させている」と説明。両国が「計画的に関係正常化に向けて取り組んでいる」と述べました。ただし、2012年以降続く外交関係の断絶状態は継続しています。

EU加盟への現実的課題

ジョージアは2023年12月にEU加盟候補国となりましたが、2024年11月にイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が「2028年まで加盟交渉開始を見送る」と表明。これに対し大規模な抗議デモが発生し、EU側は民主主義の後退を理由に支援凍結などの措置を取っています。

現政権は反西欧的言動を強めており、EU加盟に向けた具体的な道筋は不透明な状況です。ザハロワ氏は「数字(現実)を見よ」と繰り返し、ジョージアのEU加盟計画に懐疑的な姿勢を強調しました。

日ジョージア関係への影響

日本はジョージアを「南コーカサス地域の安定の鍵」と位置付け、ODAを通じたインフラ整備支援を継続。EU加盟が遅れれば地域の地政学的バランスに影響を与える可能性があり、日本政府も情勢を注視しています。

ザハロワ氏の発言は、ロシアが旧ソ連圏の欧州統合を牽制する姿勢を改めて示すもの。ジョージアのEU加盟を巡る駆け引きは、ウクライナ情勢と並び欧州の新たな対立軸となりつつあります。

メディアソース: geinfojp.wordpress.com