ジョージアの人口が370万人突破 移民流入が自然減を補う構造
ジョージア統計局(サクスタット)が2025年1月時点の暫定人口を発表したところ、総人口は370万4,500人に達しました。前年同期比で9,900人増加した背景には、14,386人に上る移民超過が存在します。一方で出生数から死亡数を引いた自然増減率は-4,488人と、人口の自然減が続いています。
人口構成にみる課題
性別比率では女性が52%を占め、100人当たり93人の男性が存在します。平均寿命は74.9歳(男性70.5歳、女性79.3歳)で、前年から変化ありませんでした。中央値39歳という年齢構造は、日本の48.4歳(2023年)と比較して若い層が中心です。
年齢階層別比率
- 0-14歳:19.2%
- 15-64歳(労働可能人口):64.2%
- 65歳以上:16.6%
地域別の偏在が顕著
首都トビリシ(Tbilisi)に全人口の34.6%にあたる128万2,000人が集中。第2の都市バトゥミ(Batumi)を擁するアジャリア自治共和国(Adjara)が36万6,000人と続きます。反対に山岳地帯のラチャ=レチフミおよびクヴェモ・スヴァネティ(Racha-Lechkhumi and Kvemo Svaneti)は2万5,000人と、地域格差が浮き彫りになります。
移民動向の変化
2024年の移民データでは:
- 出国者(エミグラント)12万1,425人:前年比50.5%増
- 入国者(イミグラント)13万5,811人:同34%減
- 移民の85%以上が15-64歳の労働可能層
国籍別ではジョージア人が入出国とも半数前後を占め、次いでロシア・ウクライナ・トルコ・インド・アゼルバイジャンが主要な出入国国です。ロシアからの移住者増加はウクライナ戦争の影響が推測されます。
統計上の留意点
アブハジア(Abkhazia)とツヒンヴァリ地域(Tskhinvali)の統計は含まれておらず、実際の居住者はさらに多いと推定されます。この地域の扱いはジョージア政府がロシア占領下と主張する領土問題と直結しています。
人口動態が示す未来
移民依存の人口維持構造は経済成長と社会保障の両立を迫っています。日本との共通課題である少子高齢化対策と移民政策のバランスが、今後の持続可能な発展の鍵となりそうです。観光分野では2023年に日本人訪問客が戦前比3倍に増加しており、人的交流拡大が新たな可能性を秘めています。
メディアソース: civil.ge