ジョージアで7歳児への家庭内暴力 警察が本格捜査開始
深刻な児童虐待事件が首都トビリシで発覚
ジョージア(グルジア)の首都トビリシ(Tbilisi)で、7歳の男児が家族から深刻な暴力を受けていた事件が明らかになりました。現地警察は6月25日、児童の権利保護法違反の容疑で本格的な捜査を開始したことを発表しました。
近隣住民の通報で発覚
事件はトビリシ市ヴァケ地区の集合住宅で発生。近隣住民が「子どもの泣き声と物音が頻繁に聞こえる」と警察に通報したことがきっかけでした。警察官が現場を訪れたところ、男児の身体に複数のあざや火傷の痕を確認。保護者から事情を聴取した結果、継父(35)と実母(32)が日常的に暴力を振るっていた事実が判明しました。
専門家が指摘する社会問題
児童保護団体「サケブルツォ」(Saqebuldo)の代表イリア・ダチアシヴィリ(Ilia Darchiashvili)氏は「ジョージアでは家庭内暴力がタブー視される傾向が強く、近隣住民が積極的に通報した今回の事例は極めて異例」と指摘。2023年の統計では、同国で報告された児童虐待件数は前年比17%増加しており、専門家は経済格差の拡大と伝統的家父長制の影響を指摘しています。
司法当局の迅速な対応
捜査当局は男児を即時保護し、特別支援施設に移送。両親に対しては3年間の接近禁止命令を発令しました。ジョージア内務省広報官は「子どもの安全を最優先に徹底捜査を行う」と表明。現地メディアによると、加害者には最大5年の禁錮刑が科される可能性があります。
日本との協力体制に期待
ジョージア政府は2021年、日本政府の支援で児童保護専門官養成プログラムを開始。今回の事件を受け、在ジョージア日本大使館は「子どもの権利保護における日ジョージア協力の強化を検討中」とコメントしています。両国間では2024年3月に児童心理ケアに関する専門家会議が開催される予定です。
現地のソーシャルメディアでは「7歳の子どもに手を上げるなんて信じられない」「司法が厳正に対処すべき」との声が相次いでいます。警察は情報提供者の匿名性を保証し、同様のケースの通報を呼びかけています。
メディアソース: geinfojp.wordpress.com