ジョージア「夢の党」調査委員会にカダギシビリ新加入 元政権疑惑捜査で体制強化

与党「ジョージアの夢（夢の党）」が主導する臨時調査委員会に、新たにイラクリ・カダギシビリ（Irakli Kadagishvili）氏が参加した。同委員会は野党「国民運動」が政権を握っていた2003-2012年期間中の疑わしい犯罪行為を調査している。カダギシビリ氏は4月初頭に司法大臣に就任したパアタ・サリア（Paata Salia）氏の後任として加入した。

カダギシビリ氏の経歴と委員会の期待

62歳のカダギシビリ氏は、1992年に国民民主党から国会議員に初当選。2021-2024年には議会手続き委員会委員長を務めた。テア・ツルキアン（Tea Tsulukiani）委員長は「委員会にとって非常に大きな収穫だ」と歓迎し、「憲法裁判所に提出する最終報告書に向け提携を強化する」と意気込みを語った。

拡大する調査範囲

調査対象は当初の元政権期間から現在に至る事件に拡大。委員会は最終報告書を基に野党「国民運動」活動禁止を要請する方針を示している。当初10月の地方選挙前の禁則を目指していたが、選挙後の「早期」実施へ方針転換した。

野党関係者の出頭拒否問題

「レロ」のマムカ・ハザラゼ（Mamuka Khazaradze）氏や「変化のための連合」ニカ・メリア（Nika Melia）氏ら野党指導者14名が出頭を拒否。これを受け各人に10,000～50,000ラリ（約52万～260万円）の保釈金が課された。唯一出頭した元首相のギオルギ・ガハリア（Giorgi Gakharia）氏は、2019年6月20日の抗議活動暴鎮圧に関する質問に応答した。

戦争責任追及の新展開

委員会は2008年ロシア・ジョージア戦争（南オセチア紛争）でも元大統領ミヘイル・サアカシュヴィリ（Mikheil Saakashvili）氏の責任追及を開始。ザザ・ゴガヴァ（Zaza Gogava）元参謀総長ら軍幹部の証人喚問に、歴史修正主義的と批判が集中している。

現政権の調査強化はEU加盟申請を進める中での「反露路線」明確化と、野党封じ込めを兼ねた戦略と分析される。ジョージアの政治再編が進む中、司法を巡る攻防が次期総選挙（2024年10月）に向け激化する構えだ。

メディアソース: civil.ge