ジョージア警察が大規模麻薬押収 外国人容疑者を逮捕
トビリシで過去最大級の麻薬密輸事件
ジョージア内務省は7月15日、首都トビリシ(Tbilisi)で過去最大規模となる合成麻薬「フェンタニル」5kgを押収したと発表しました。押収量は市場価格で約260万ラリ(約1億3,520万円)相当に上り、外国人容疑者3名が逮捕されました。
国際的な密輸ネットワークの関与
捜査当局によると、逮捕された容疑者はウズベキスタン国籍の男性2名とロシア国籍の女性1名。トビリシ中心部の高級マンションを拠点に、中東から欧州への密輸ルートを構築していたとみられています。
ジョージア麻薬対策局のイラクリ・クルディアニ局長(Irakli Kldiashvili)は「押収されたフェンタニルは致死量の50倍の濃度を含んでいた」と指摘。同国では2023年以降、麻薬関連の検挙件数が前年比37%増加しており、政府が「ゼロトレランス政策」を強化している背景がうかがえます。
日本との協力体制にも言及
今回の作戦には国際刑事警察機構(インターポール)が協力。ジョージア警察は「日本を含むアジア諸国との情報連携を強化し、国際的な密輸ネットワークの解体を進めたい」とコメントしています。
在ジョージア日本大使館の関係者は「観光協定締結後、両国の人的交流が増加する中で、治安維持の連携が重要になっている」と述べ、今後の協力拡大に期待を示しました。
麻薬撲滅に向けた新たな対策
ジョージア政府は今回の事件を受け、国境警備隊の増員とAIを活用した荷物検査システムの導入を決定。2024年度中に主要空港と陸路検問所に最新機器を配備する予定です。
麻薬密輸の主要中継地となっているバトゥミ港(Batumi)では、貨物検査の厳格化が既に開始されており、7月だけで前年同期比62%多い違法薬物が発見されています。
今回の大規模摘発は、ユーラシアの交通の要衝に位置するジョージアが、国際的な麻薬対策の最前線で重要な役割を果たしていることを示す事例となりました。日本との協力が深まる中、今後の捜査協力の進展が注目されます。
メディアソース: interpressnews.ge