ジョージア政府が国連と2026-2030年協力方針を提示 経済成長と占領地域支援を重点に
ジョージア政府は5月2日、国連機関に対し2026-2030年の協力方針を提示した。政府行政府長官のレヴァン・ジョルジョリアニ(Levan Zhorzholiani)が主導するこの方針では、経済成長の促進と占領地域支援が主要な優先課題として位置付けられた。
持続可能な発展と地域格差是正
ジョルジョリアニ長官は会合で「緑の成長と包括的な経済発展を実現し、都市と地方の富の公平な分配を図る」と表明。特にロシアに占領されているアブハジアと南オセチア地域への国連の関与強化を要請した。
「占領地域の住民支援と持続可能な開発目標(SDGs)の達成が不可欠だ」と述べ、気候変動対策やジェンダー平等の推進にも言及。今後の協力枠組み策定に向け、各省庁が連携して行動計画を作成する方針を示した。
国連側の対応と今後の展望
国連常駐調整官のディディエ・トゥゲブク(Didié Tghébéuk)は「5か年計画策定に向け関係省庁と緊密に連携する」と応じた。3月には議会議長のシャルヴァ・パプアシヴィリ(Shalva Papuashvili)とも会談し、女性・児童の権利保護や持続可能な開発の推進で合意している。
ジョージア政府は近年、対外直接投資の誘致に注力しており、2022年のGDP成長率は10.1%を記録。日本との経済関係も深化し、自動車部品工場の進出が相次ぐなど、アジア市場との連携強化が進んでいる。
地域情勢への影響
ロシアによる2008年の軍事侵攻以降、国土の20%が占領されたままのジョージア。政府は国際機関を通じた問題解決を模索しており、今回の協力方針が領土保全に向けた国際的支援を引き出すかが注目される。
日本政府も「唯一の戦争被爆国」としてジョージアの領土問題に関心を寄せ、これまでに地雷除去支援などで1億5,000万円(約28万8,000ラリ)の協力を実施。今後の開発支援における日ジョージア連携の可能性も浮上している。
メディアソース: civil.ge