ジョージア元首相ガリバシビリが政治引退 イワニシビリへの忠誠を表明
政界からの引退を正式発表
ジョージアの与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」元党首で元首相のイラクリ・ガリバシビリ(Irakli Garibashvili)氏が4月25日、政界からの引退を表明しました。同氏はフェイスブックでの声明で「党の役職と政治活動の両方から退く」と述べ、民間セクターへの転身を明らかにしました。
引退の背景と決意
記者会見でガリバシビリ氏は「家族との時間を増やし、民間分野の可能性を探りたい」と説明。「政治活動の全ての決断は国家と国民への奉仕、国家強化を目的としていた」と強調し、安定と進歩に貢献した使命は達成されたと語りました。
同氏は「ビジナ・イワニシビリ(Bidzina Ivanishvili)氏を『平和と安定の保証人』と称賛。ジョージアの夢が単一の強力な政治勢力として確立した背景には、イワニシビリ氏の特別な役割があった」と述べました。イワニシビリ氏は同党創設者で現在は名誉党首を務めています。
現政権との関係
現職のイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相への言及はありませんでしたが、両者の関係を「完全に調和的」と表現。新党結成や野党転向の可能性について「誰に反対する必要があるのか?」と否定し、「今後もジョージアの夢とイワニシビリ氏への忠誠を維持する」と断言しました。
波乱の政治歴
ガリバシビリ氏の政治キャリアは2011年、前政権時代に家族が不当逮捕されたことをきっかけに「ジョージアの夢」に参加したことから始まります。2013年には34歳で首相に就任(当時世界最年少)、2021年から2024年まで2期目を務めました。内務大臣(2012-2013年)や国防大臣(2019-2021年)を歴任するなど、党の中心人物として活躍してきました。
政治情勢への影響
政治アナリストらは今回の引退を「コバヒゼ派の影響力拡大を示す兆候」と分析。ジョージアでは現在、EU加盟申請をめぐる国内対立が激化しており、与党内の権力構造変化が注目されています。
ガリバシビリ氏は最後に「国に特別な変化は起きていない」と述べ、引退が政治危機を反映したものではないと強調しました。今後は「祖国に忠実な兵士」として民間人として関与を続ける意向を示しています。
メディアソース: geinfojp.wordpress.com