アントン・チェチン容疑者に頭部腫瘍発覚 麻薬事件で拘束中も健康悪化が懸念
拘束中の容疑者に深刻な健康問題
ジョージア(Georgia)で麻薬密輸容疑で拘束中のロシア人実業家アントン・チェチン(Anton Chechin)容疑者(42)の頭部に腫瘍が発見されたことが判明しました。トビリシ(Tbilisi)の拘置所内で実施された健康診断で異常が確認され、現在専門医による詳細な検査が進められています。
事件の経緯と容疑内容
チェチン容疑者は2023年11月、ジョージア国内でコカイン3kgを密輸した疑いで逮捕されました。当局によると、国際的な麻薬密輸ネットワークとの関連が指摘されており、事件は同国史上最大規模の麻薬摘発事例の一つとされています。
医療専門家が懸念を表明
弁護側が公開した医療記録によると、腫瘍は頭蓋骨底部に位置し、近隣の神経組織を圧迫している可能性が示唆されています。神経外科を専門とするギオルギ・バフタゼ(Giorgi Bakhtadze)医師は「早期の専門治療が必要な状態」と指摘し、現行の拘置所環境での健康管理に懸念を表明しています。
人権団体の対応
国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」は声明を発表し、「適切な医療アクセスは基本的人権」と強調。ジョージア政府に対し、医療施設への移送を含む緊急措置を要請しました。これに対し司法省は「必要な医療措置を講じている」と反論しています。
外交的な影響懸念
チェチン容疑者がロシア・ジョージア両国の二重国籍を保有していることから、事件は外交問題化する可能性も指摘されています。ロシア外務省報道官は「自国民の権利保護に最大限の注意を払うよう要請する」とコメントしています。
今後の展開
次回公判は来週トビリシ地方裁判所で開かれる予定です。弁護団は医療的配慮を求める仮釈放請求を準備中で、司法判断が注目されます。刑事事件専門のナタリア・ジョルベナゼ(Natalia Jorbenadze)弁護士は「健康状態が裁判の行方に影響を与える可能性がある」と述べています。
ジョージアの刑事施設では過去にも収容者の医療問題が国際的な批判を浴びた経緯があり、今回のケースが同国の司法制度改善の契機となるか、国内外から関心が集まっています。
メディアソース: interpressnews.ge